自社のイメージと伝えたい表現方法は違う。伝えたいターゲットによってアプローチは違う

Design

前回はデザインのカッコよさは企業ごとに十人十色だというお話をしました。今回もその内容にちょっと似たお話ですが、まさに狙いたいターゲットとデザインアプローチの仕方がまったくズレていたというわかりやすい事例があったので、ここで少しご紹介したいと思います。

先日、子ども向けボラティア団体のLINE公式メーニューのデザインを間接的に受けるお仕事がありました。

子ども向けの団体ということで、団体としてのイメージはかわいらしく、ポップなイメージを定着させているということを聞いていたので、そのイメージを損なわないように作り上げました。ところが、先方からは逆に「イメージと違う」という指摘が入りました。こちらとしては「え?」という思いです。いったい何が違ったのか? ひたすら疑問でした。

より詳しい話を聞くと、LINE公式メニューは、その団体が企業とのつながりを増やすことを目的としたものだということがわかりました。

もう、おわかりいただけるかと思いますが、明らかにコンテンツのターゲットとデザインがズレていた、ということです。

企業とのつながりを求めるメッセージに、子ども向けのポップなデザインでアピールするって……、明らかに方向性が違います。もし、あなたが企業側の立場だったら、そのアプローチで来られても相手の伝えたいことが入ってきますでしょうか? やはり、ちょっとピンときませんよね。

「ちょっと違う」という指摘は、いかにもごもっとも、ということが詳しいお話を聞いて合点がいきました。

今回は、少々極端な事例かもしれませんが、でもこのように自社のイメージと伝えたい内容が混同されてアプローチしてしまうというのも、実はよくあるケースだったりします。とくに自社に独特なカラーやアイデンティティをお持ちだと、このようなことが混同されやすいようです。

Webサイトにしても、メディアが何であっても、結局のところ大切なのは伝えたい側の視点というよりも、伝えたい先の視点に立って考えて表現をすることが何よりも第一である、ということが、この事例でよりお分かりいただけたかと思います。相手側の気持ちの刺ささらなければ意味がありません。それこそ、チグハグな表現なあまり門前払いを食らってしまっては本末転倒、ということになりかねません。

イメージだけを先行してあれこれ進めると、結果としてズレたものになってしまうという事例です。内容と目的を明確にした上でデザインアプローチを決めていくことの大切さについて、お分かりいただけましたでしょうか。

とはいえ、自分たちだけで考えると、なかなか気がつかないケースもよくあります。時として、第三者的な視点を取り入れてご検討されることをお勧めします。

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